「2023年J1第6節 vs川崎フロンターレ」コンサドーレを考える(選手採点)

ROOM3 コンサドーレ部屋

前節、ガンバ相手に2点をリードする展開ながら2分間で連続失点を許し、痛い引き分けに終わった札幌。

先週行われたルヴァンカップでも磐田相手に勝利はしたものの、2点リードから一時は追いつかれるという試合運びとなってしまいました。

今節は2019年のルヴァンカップ以降、劇的な試合が多く、札幌にとっては超えたいチームの1つである川崎との試合です。


試合前には両チームからSNSを使って「#たれダービー」「#小林悠大喜利」「#嘘フォメ」など盛り上がっていましたね。

コンサドーレのスポンサーである石屋商事さんの公式ツイッターも発信するなど、微笑ましかったです。

「#小林悠大喜利」については、札幌の天敵である小林悠選手に宛てたモノですが、天敵でありながらもサポーターやクラブがお互いをリスペクトし合っているのが伝わって、すごく気持ちのいい大喜利になっていました。

試合中はバチバチですが、試合前後ではチームの垣根を超えて交流できるのがスポーツのいいところ。

川崎サポーターからも、「面白いからもっとやってほしい」という意見もあり、いいライバル関係を築いていきたいですね。

そのためには川崎の格に追いつけるように、まずはタイトルを!


今節のスタメンはこちら。

3バックは右から田中駿汰選手・岡村選手・菅選手。

ボランチに福森選手と荒野選手という珍しいシステムでした。


対する川崎も家長選手に自由を与える0トップのような戦術でした。

前半

試合開始直後から札幌は右サイドの田中駿汰選手・金子選手・小柏選手のコンビネーションに小林選手が関わりながら攻撃を構築していきます。

そして、6分にいきなり先制点が生まれます。

コーナーキックのこぼれ球から小林選手がヒールパス。それを受け取った金子選手が仕掛け、クロスを供給すると、中で岡村選手が合わせ先制に成功!!

金子選手が足を滑らせたことが結果的には功を奏し、小林選手から素晴らしいヒールパスを引き出すことにつながりましたね。

金子選手のクロスも完璧でしたし、空中戦で圧倒的な強さを誇る岡村選手が強烈なヘディングを叩き込みました。

幸先の良い先制点となりました。


その後も札幌が優勢に試合を進めていきますが、20分に小林選手が負傷交代というアクシデント。

あまり激しい接触ではなかったように見えますが、左足を着いたときに負傷してしまいました。

退場するときも左足がカクカクしていたので、長期離脱とならないといいのですが…。


そしてゲームプランが狂った直後の25分に宮代選手に得点を許し同点に追いつかれてしまいます。

福森選手とソンユン選手がどちらも中途半端なプレーをしてしまったことが原因ですね。

さすがにこれはひどいプレーでした。


しかし、そんな嫌なムードを吹き飛ばすかのように27分、青木選手からのクロスに浅野選手が合わせ、すぐさま勝ち越します!

浅野選手の抜け出し方が見事でしたし、青木選手も1度フェイントを入れてからのクロスは素晴らしかったです。

なにはともあれ、不用意な失点をした直後にゴールを決めることができたので、チームに勇気を与える得点になりました。


しかし、39分に福森選手が川崎の山田選手にペナルティエリアの深いところで入れ替わられボールを失い、最後は山根選手に決められ2−2の同点に。

ここはゴールキックにするのかクリアするのかを判断できず、さらには簡単にフィジカル面で負けてしまった福森選手のミス。

あとはソンユン選手もゴールを捨ててボールホルダーへチャージするのか、ゴールに戻るのかという判断が遅かったように見えます。

何にしても簡単に失点しすぎですね。


その後も小柏選手が抜け出して数的優位を作るもシュートへ持っていけなかったり、チャンスがありながらもやり切ることができず。

その直後の前半アディショナルタイムに田中駿汰選手とのパス交換をしていた馬場選手がボールを奪取され、家長選手にロングループシュートを決められ失点。ついにリードを許してしまいます。

これもイージーミスからの失点。

田中選手のパスも少し雑でしたし、馬場選手はあの場面であれば手を使ってでも家長選手を倒すべきだったと思います。

あの位置とディフェンスの残り方を見てもDOGSO案件ではなさそうなので恐らくイエローカードだったでしょう。

ソンユン選手もパス回しに参加していないのであればポジショニングはもう少し考える必要があるように思えます。


折角ホームで2度リードを奪ったにも関わらず、もったいない失点を重ね、2−3で前半を折り返します。

後半

ハーフタイムで福森選手に代えてゴンヒ選手を投入。

4−4−2のようなフォーメーションになりました。


56分には小柏選手に代わって西選手を投入。

この試合現地で観戦していたのですが、小柏選手は交代してベンチに下がって行った時にコーチ陣や選手とハイタッチする際、首を傾げながらしていたのと、すぐにコーチ2人に挟まれて話していたところを見ました。

アクシデントでなければいいのですが…。それか、アクシデントが起こる前に感じることができていたのであればいいんですけどね。


そして59分、浅野選手のFKにゴンヒ選手が合わせ3−3の同点に追いつきます!

今節、この後もセットプレーのキッカーを務めていたのですが、浅野選手があそこまで高精度のボールを蹴れるとは驚きでした。

無理な体勢でもトラップをピッタリ止めたり、技術面は非常に高いですね。

そして、ゴンヒ選手は高い打点で強烈なヘディングでしたね。

昨年のC大阪戦でもヘディングでゴールを決めていますし、本当に大きな武器です。


同点に追いつかれたこともあり、川崎は67分に小林悠選手を投入。

出場時には大ブーイングでした。逆に小林選手のモチベーションになってしまうのでは?とも思いましたが(笑)


その後はお互いにミスが目立ち、間延びする時間帯となりますが、82分に菅選手と青木選手のコンビネーションからチャンスを作り、こぼれ球を荒野選手がシュートしますが、惜しくもDFに阻まれてしまいます。

このシュートは決めてほしかった…。

荒野選手はここの決定力があればもう数段上にいけるんですけどね。


ビッグチャンスを逃したらピンチはくるもので、86分についに瀬川選手に決められてしまい、3−4とリードを奪われてしまいます。

1度センタリングを弾き返したときにラインを上げられなかったこと、そしてクロスを上げた田邉選手にプレッシャーをかけることができなかったことが失点につながりました。

オールコートマンツーマンで後半のこの時間は体力的に辛いとはいえ、いつも見る失点の形ですね。


89分に小林悠選手が負傷退場し10対11の数的有利になり、ミラン選手と中島選手を投入しパワープレーを仕掛けますが、後半アディショナルタイムにはミスも重なり菅選手の1本以外はまともにクロスボールを上げることもできず、試合はそのまま3−4で終了。

選手採点

スタメン

GK 25 ソンユン 3.5 失点は味方のミス絡みで難しかったが、最後の砦としては物足りない。

DF 2 田中 6.0 インターセプトから攻撃へ繋げたり、守備でも相手を抑えた。3失点目の馬場へのパスは不用意だったか。

DF 4 菅 5.5 劣勢になってからは積極的な仕掛けで存在感が増した。

DF 50 岡村 6.5 今シーズン初ゴール。守備面では家長と互角以上にやり合った。

DF 5 福森 3.0 ボランチの時はいい攻撃のアクセントになっていたが、CBになってからは試合を壊した。

MF 9 金子 7.5 調子の良さがプレーに表れており、ドリブルもキレキレ。1対1はほぼ勝利。

MF 11 青木 6.5 攻撃に違いを出せるテクニックを発揮し、アシストを記録。

MF 18 浅野 6.5 得意の裏抜けからゴール。確実にフィットしてきている。

MF 27 荒野 6.0 うまく試合をコントロールできず。不要なイエローも。

MF 99 小林 6.0 強烈なミドルシュートを放つなど調子は良かっただけに怪我が心配。

FW 19 小柏 6.5 シュートへ行くのか周りを使うのかの判断は重要。前半の青木へ出したダイレクトスルーパスは芸術的。

途中出場

MF 3 馬場 5.5 スクランブル出場で難しかったが、失点に絡んでしまった。

MF 22 西 5.5 後半ATの連続ミスはいただけない。ただ、パスを散らして攻撃にリズムを与えていた。

FW 13 ゴンヒ 6.5 ターゲットとして競り合いに勝てるのが大きかった。貴重なゴールも記録。

FW 32 ミラン (採点不可)

FW 45 中島 (採点不可)

まとめ

前半の理想的な時間に得点し、試合内容もとてもよかっただけに、悔しいを通り越して屈辱の逆転負けとなりました。

3得点はどれも素晴らしく、それぞれの選手の良さが出た形でした。

特に金子選手は出色の出来で、ドリブルでの1対1、抜ききってからのクロス、周りを使う判断などどれも冴えわたっていましたね。

小柏選手・金子選手・田中駿汰選手の右サイドは本当に機能していて、前線でボールを奪いきれるのが強みですね。

それだけに、小柏選手はもう少しチャンスの時のアイデアや判断・思い切りを大切にしてほしい。

スペシャルな実力があることは分かっているので、この部分が代表クラスになれるかどうかの境界線だと思います。


攻撃面は素晴らしかった。が、守備面は課題山積といった内容。

4失点中3点がミスから直結したものでした。

あまり個人を名指しすることはしたくないですが、今節、福森選手とソンユン選手のパフォーマンスはお世辞にも良かったとは言えない出来でした。

あのスタメンの意図は、福森選手の守備力をカバーするためのものだったと思います。

現にボランチでやっているときはパスカットやそこから前線への配球などで良さは出ていました。

しかし、小林選手が負傷したことにより従来の左CBへ。そこからは守備の不味さを露呈した試合となってしまいました。

相手側にも「福森選手なら競り勝てる」と思われているので、そこを貪欲に突かれてしまっている印象。

簡単にフィジカルで負けたり走り負けてしまうと、オールコートマンツーマンは成立しません。

馬場選手がまだ完璧にフィットしているわけではないので、福森選手のカバーまでは回っていなかったです。

その点でも、小林選手が負傷交代したのであれば思い切ってプラン変更でゴンヒ選手を投入するのもありだったような気はします。

それこそ福森選手の配球力はゴンヒ選手がいると更に活かされるでしょうし。


どちらにせよ1番怖いのは、攻撃面ではルーカス選手や駒井選手が復帰していないので上積みはありますが、守備面ではほぼこれがベストメンバーだということ。

もちろん深井選手や駒井選手が戻ってくればある程度上向くことも考えられますが、センターバックは現状このメンバーしかいません。

岡村選手と田中選手は毎試合素晴らしい出来なので、左CBが固定されるとそれだけで安定感が出ると思うんですよね。

ここ数年はずっと同じ課題に直面しているような気もするし、今年は高嶺選手が抜けていますからね。この重大さを見誤った感は否めないかと。


ソンユン選手も、以前のような状態まで上がっていないので、菅野選手の復帰が待たれます。

最後の砦として頼りになるキーパーがいないと札幌の戦術は厳しいですからね。

ソンユン選手も実力は確かなので、早くコンディションを上げていってほしいところです。


これで15位まで順位を下げてしまいました。

現状、これより下のチームはどこもうまくいっていない印象ですが、ハマれば連勝できるようなチームでもあるので、札幌はいち早く上の順位にいきたいですね。


次は水曜日にルヴァン杯、日曜日にC大阪戦です。

連勝できるように応援しましょう!

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