「2023年J1第8節 vs浦和レッズ」コンサドーレを考える(選手採点)

ROOM3 コンサドーレ部屋

前節は壮絶な打ち合いを制した札幌。

今節は今シーズン好調の浦和に乗り込みます。

そして、埼玉スタジアムは改修を終え、昨年11月以来の開催ということで満員の浦和サポーターが待ち構え、完全アウェーの中の試合でした。

試合前のコレオなんかはさすが浦和サポーターという感じで、すごい迫力でした。

今節のスタメンはこちら。

スタメンは前節と同じ。

サブには駒井選手と宮澤選手が復帰しました。

前半

試合序盤からカップ戦の決勝戦のような雰囲気でした。

両チームの選手たちもかなり気合が入っており、球際も厳しくいっていました。

前半20分あまりでイエローカードが3枚も出る展開。荒れ模様でした。

試合内容というと、序盤からボールを保持される中でディフェンスは集中できていました。

ただ、ボールを奪ってから雑なプレーが多く、前線でうまく連携が取れていませんでした。

浅野選手の惜しいシュートがあったものの、それ以外の決定機は作れず。


そして34分に抜け出した浦和の興梠選手を中村選手が倒してしまい、一発レッドカードで退場の判定。

さほど激しいコンタクトには見えなかったので、VARの介入はあるか?と思いましたが、右手でユニフォームを引っ張ってしまっていたので、これは妥当な判定でした。

中村選手の走力なら、一度抜け出されても追いつけたと思うので無理して体を当てに行く必要はなかったような気がします。

さらに、札幌の戦術上あのような状況は起こることも多いので、どういう対応をするのか意思統一をしないと、また昨シーズンのようにレッドカードでゲームが壊れていくことが起っていくのではないかと。

個人的には70分までは無理せずでいいと思います。

1人失うよりも1点失うだけの方がまだマシですし、複数点とれるチームになってきているのでね。


この退場で今節かなりいい動きをしていたゴンヒ選手に代えて駒井選手を投入。

ある程度割り切ってコンパクトにディフェンスしていくことを選択しました。

ゴンヒ選手も戦術的な悔しい交代となってしまいましたが、各方面にお辞儀をして出ていったところ、ナイスガイですね。


前半はその後浦和に2回ビッグチャンスを作られますが、シュートミスに助けられ、0−0で前半を折り返します。

後半

後半もディフェンスはコンパクトに整え、うまくディフェンスから流れを掴もうとしていました。

カウンターで浅野選手を狙い、セットプレーを獲得するというのが突破口になる。というかそれくらいしかないという感じでした。


しかし68分にパスカットされたところから浦和のショルツ選手に見事なゴールを決められてしまい、先制を許してしまいます。

中島選手と意図が合わなかった福森選手の不用意なパスミスがきっかけとなってしまいましたが、菅選手も少し対応が中途半端になってしまいました。

ただ、ショルツ選手が見事だった面も大きいですね。

ディフェンスの選手にあんなストライカーみたいな動きされたら厳しいです…。


その直後には関根選手にゴールネットを揺らされてしまいますが、オフサイドの判定でノーゴール。

さらにその直後にはソンユン選手に対してアフターで足裏を見せてタックルをしたホセ・カンテ選手がVARの結果レッドカードの判定。

数分で色々な出来事が起こり、ピッチの中も混乱していました。

とはいえ、得点が取り消され10人対10人になるという、札幌に追い風が吹いてきたかに思われました。


しかし、38分に青木選手がシュートブロックをした際に手に当たってしまいVARのオンフィールドレビューの結果、PK判定。

それを興梠選手に決められてしまい、0−2となります。

青木選手の支え手となっている左手に当たった形となり(当たった瞬間はボールを見てすらいない)かなり不運なPKでしたね。

「支え手だからハンドではない」というルールではないのは承知の上ですが、あれが不自然についた左手だったかどうかで言うと、かなり難しい判定ですね。

PKを取られても致し方ないとは思いますが、その後のイエローカードはさすがに厳しすぎやしませんか?と。何でもかんでもカードを出してしまったのは前半早いうちに浦和の荻原選手へカードを出してしまったことが原因でしょうね。


しかし10人同士の対決になったことで、札幌も攻勢に出ます。

88分、セカンドボールを拾った菅選手がドリブルからシュートを放ち、ゴールに吸い込まれ1点を返します。

相手DFに当たりましたが、強烈なシュートとなりましたね。


喜びも束の間、95分にモーベルグ選手に左サイドを抜かれクロスを上げられ、足を出した田中選手に当たりそのままゴール。1−3となります。

これは田中選手は仕方ないですね。足を出していなければその後ろにいる選手に決められていましたし。

それよりも宮澤選手のスピードとカバーがあまりにも遅かったように見えました。

実戦復帰でまだ体が重そうでしたね。


そして98分には不可解な判定からファウルを取られ、そのFKでホイブラーテン選手に決められ1−4。完全に勝負を決められました。

試合は1−4で終了。悔しい敗戦となりました。

選手採点

スタメン

GK 25 ソンユン 5.0 2回いいセーブがあった。4失点はやはり多い。

DF 2 田中 5.5 オウンゴールは仕方ない。時折いいインターセプトがあった。

DF 6 中村 4.0 早い時間での退場はゲームプランを大きく崩す。反省し次に繋げてほしい。

DF 50 岡村 5.5 興梠への対応は良かった。カバーするところが多くて大変そう。

MF 4 菅 5.5 一矢報いるゴールを挙げた。DFの対応は課題も。

MF 5 福森 4.5 目に見えるミスが多すぎる。このままだと本当に厳しい。

MF 9 金子 5.5 相手の脅威になっていた。数的不利でも打開しようとした。

MF 11 青木 5.0 1失点目は背後を突かれた。攻撃ではアクセントになれず。

MF 18 浅野 6.0 速さとテクニックで決定機を作った。

MF 27 荒野 5.0 最後のチャンスではシュートを打ってほしかった。

FW 13 ゴンヒ 5.5 交代まではいいプレーが多かった。

途中出場

MF 10 宮澤 (採点不可) スピードとアジリティが足りない。

MF 14 駒井 5.5 スクランブル出場となったが、まだ調整が必要に見える。

FW 32 ミラン (採点不可) チャンスを作り、可能性を感じた。

FW 45 中島 5.0 光るプレーはなく、苦しいプレーが続いている。

まとめ

これで2勝3分3敗となり、順位を12位に下げてしまいました。

その下に川崎と鹿島がいるなんて、少し違和感のある順位表ですね。


多くの方は主審の御厨氏の判定について色々と思うところはあると思いますし、僕もその1人です。

特にピックアップしてみると

・5分 浦和・荻原選手へのイエローカード

・53分 札幌 金子選手のファウル判定

・82分 札幌 青木選手のハンド、イエローカード

・97分 札幌 中島選手のファウル判定

その他も細かなところはあれど、とりあえずこの4点に絞ってみましょう。


まず、この試合の先行きが不安になったのは、試合開始早々の荻原選手へのイエローカード。

そこまで激しいコンタクトでなかっただけに、これでイエローカードのハードルがかなり下がってしまいました。

主審がゲームコントロールに失敗したのは、ここがスタートだったと言えます。


そして、53分の金子選手のファウル判定は、ディフェンスをしていた荻原選手が最初にユニフォームを引っ張っていたのにも関わらず、金子選手のファウルという判定。

これは副審が進言していたので、金子選手はかなり激しい抗議をしてしまい、イエローカードが提示されました。

イエローカードは抗議のところにかかるものだったと思うので納得ですが、そもそもファウルなの?というところ。

お互いやり合っていて、最初は相手側が思い切りユニフォームを引っ張っていたのに、こちらだけファウルとるの?と思うのは当然ですよね。

お互いにノーファウルにするのが妥当だったように感じます。


そして、一番の議論となるのは82分の青木選手のハンド判定。

SNSでもさまざまな議論があり「支え手だからノーハンドは明記されなくなった」ということがハンド派の言い分でした。

ただ、火曜日に配信されたDAZNのジャッジリプレイによると、「支え手だからハンドではない」というわけではないという認識で、あくまで「自然か不自然か」という判断によるということでした。

この説明には納得しましたが、それでは青木選手の左手は「不自然」だったのか?

僕としてはとても自然に見えましたし、そもそもシュートが打たれた後は青木選手はボールすら見ていません。

不自然に体を大きくしたわけではないので、ここをハンドにするのは厳しい判定だと思います。

あと、VARを「あの場面を高速にしたバージョンだけ」見るのもどうなんでしょうかね。

何回も見てるとハンドにしか見えなくなりますし、浦和サポーターの反応も判定を動かした可能性がありますね。

それも含めてホームアドバンテージではありますが、釈然とはしませんね。

まぁ、あのプレーはエリア内でスライディングをしているというそもそものリスクがあるのでハンドを取られても仕方ないというのは理解できますが、イエローカードはさすがに厳しすぎます。


最後に、4失点目のきっかけとなったFKを与えてしまった中島選手のファウル。

これは、勢いをもってタックルに行っただけで、まったく足には触れていませんでした。

完全にボールにチャレンジできていましたし、伊藤選手の痛がり方に主審が反応してしまったというところでしょうか。

判定に納得できなかった中島選手はボールを叩きつけ、イエローカード。

このイエローカードは「もったいない」「雰囲気を壊す」などの意見が出ることはもちろん承知の上で、僕は彼のことを尊重します。

だってそれだけうまくボール奪取できた自覚があったということだと思いますし、チームを勝たせたいという想いを感じました。

試合通してのフラストレーションが出てしまっただけで、中島選手だけを責めることはできません。

そもそも90分通して納得感のあるレフェリングができなかった方にも問題がありますよね。

こういうことを経験して中島選手には成長していってもらいたいです。


レフェリングへの不満はここまでにして…


次は退場後のゲームプランを振り返りたいと思います。

中村選手が退場したのをきっかけに、ゴンヒ選手を下げ、駒井選手を投入。

浅野選手をトップに置き、カウンターで1発裏抜けを狙うスタイルを選択しました。

個人的には、下げるなら青木選手でもよかったのかなとは思います。

ゴンヒ選手がいなくなってしまうと、単純に得点力がなくなります。

さらに前線で時間を作ることもできなくなってしまうので、結果としてボールを常に支配される形となりました。

あとは駒井選手が万全ではないということ。

もちろん復帰したことは大きいですし、その後に行われたルヴァン杯鳥栖戦もさすがの能力を見せつけましたが、リーグ戦でスクランブル出場させるにはまだ早かった気がします。

その後に宮澤選手も出場しましたが、こちらも同様でどうしてもスピードと俊敏性で後手を踏んでしまっていました。

特に10対10で広いスペースをカバーすると考えたら、宮澤選手ではなく馬場選手の方がベターだったかなという印象。


結果として1-4で敗れはしましたが、内容についてはそこまで悪くありませんでした。

終盤力尽きた形で2失点したのは余計でしたが、それまでは辛抱強く守れていましたし、そこから数回チャンスもありました。

ここから怪我人が復帰していけば、スタミナ面でも余裕がでてくると思うので、ゴールデンウィークの連戦に向けて仕上げていってほしいと思います。


ちなみに4月19日に行われたルヴァン杯でルーカス選手が復帰。

相変わらずのテクニックを見せてくれました。守備面ではまだ運動量が足りていないところはありましたが、戻ってくるでしょう。

西野選手も素晴らしいプレーをしてくれたので、3バックの序列崩しに期待です!

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